北伐とは、1926年に開始された国民革命軍による大規模軍事作戦であり、軍閥割拠の中国を統一することを目的とした戦争である。
総司令は蒋介石。国共合作の枠組みのもとで進められ、都市の労働運動・農民運動と連携しながら展開された。
■ 北伐の主な敵(三大軍閥)
・湖南・湖北:呉佩孚
・華中:孫伝芳
・華北:張作霖(奉天軍閥)
■ 北伐の進展
国民革命軍は士気が高く、各地で軍閥勢力を撃破した。
・1926年末:武漢を占領
・1927年初:南京・上海へ進撃
・各地で労働者のストライキ・蜂起が発生し、革命運動が拡大
北伐は軍事作戦であると同時に、都市の労働運動と農村の農民運動を伴う社会革命でもあった。
■ 上海での緊張(1927年春)
上海は中国最大の工業都市であり、労働運動の中心地だった。
・1927年3月:第三次武装蜂起が成功
・労働者武装組織「工人糾察隊」が治安を掌握
・共産党の影響力が急拡大
・資本家・租界勢力・青幇が危機感を抱き、蒋介石に接近
北伐の進撃は、上海での権力争奪戦を引き起こした。
■ 国共合作の崩壊と北伐への影響
1927年4月12日の上海クーデターにより国共合作は崩壊。
国民党は右派の南京政府と左派の武漢政府に分裂した(寧漢分裂)。
しかし、軍事行動としての北伐自体は継続され、華北へ進撃した。
■ 終結と統一(1928年)
・張作霖政権の後退と死去
・東北勢力が南京政府への服従を表明
・中国全土が名目上、国民政府のもとに統一
北伐は「中国統一戦争」として歴史上に位置づけられる。
■ 歴史的意義
・軍閥割拠の時代を終わらせる契機
・国民政府による近代国家形成の基盤
・反帝国主義運動と結びついた国民革命の頂点
・国共分裂を招き、後の中国内戦の出発点となった