青い珊瑚礁

1928年、上海
紅江マリア女学校に入学したばかりのVV(薇薇)MG(マリゴールド)マナナディアの4人は、放課後の教室で談笑していた。
ナディア「こんど、皆で南の島にリゾートに行きません? 私、船の操縦ができますし。今はまだ暖かいから、泳げるわ」
VV「行く!」
MG「私も!」

マナ「何日くらい行くんですか?」
ナディア「一週間くらいかしら。都会の雑踏を離れて、ゆっくりしましょう」
マナ「一週間? その間、学校は……」
ナディア「リゾートの時は学校をお休みします。でないと出かけられませんから」
少し迷ったマナも、最後には「行きます!」と笑った。
4人はナディア所有の船で、青島島へ向かうことにした。

ナディアたちは召使を港に置き去りにして、小さな船に乗り込んで出発した。
ナディアの召使「お嬢様〜!」「お嬢様〜!」
港の人影は、沖へ出るほど小さくなっていく。

しかし午後になると、空が急に暗くなり、4人の船を暴風雨が襲った。
ナディア「これは予想外でしたわね」
VV「どこかの島に避難しようか」
マナ「大丈夫ですか〜?」
MG「大丈夫でしょう、多分」

やがて小さな島にたどり着く。
無人島かと思いきや、小柄な島民たちがこちらを見ていた。
VV「中国語は通じるのかな?ニーハオ!」
MG「全く通じないみたいね」
VV「日本人かな?こんにちは〜」
男1「こんにちは」
男2「どうしただ?何かあっただか?」

MG「日本語は通じるみたいね。日本人が移民した島かな」
VV「遭難したので、しばらく居させてください」
島民A「遭難しただか?大変だな。しばらくうちに来るとええだ」
島民B「んだんだ」
こうして4人は島民の家で世話になることになった。

翌日は快晴。
ナディア「せっかくだから、迎えが来るまでこの島に居ましょうよ」
VV・MG「賛成!」
マナ(いいのかなぁ……)

白沙島で遊ぶMG、VV、マナ、ナディア

4人は水着で海水浴を楽しみ、島生活を満喫する。 島民は不思議そうに眺めていた。
島民C「海で魚もとらねえで、何しとるんだ?」
島民D「んだな。子供でもあんめえに」

数日が経ち、島の探検に出た4人は、丘の頂上で古い大砲を見つける。
マナ「ずいぶん古い大砲ですね」
ナディア「火薬がしけってるかしら。でも、動くみたい」
マナ「本当に弾が出たらどうするんですか?」
VV「こんなやり方じゃ、弾は出ないわよ」
MG「そうそう、こんなやり方じゃね」

VV「でも、兵器って人を殺す道具よね。人を助けることってあるのかしら?」
MG「兵器を持つことで、抑止力にはなる」
ナディア「そうそう。自分を守るためには仕方ないんじゃない?正当防衛」
武器を見ながら楽しそうな3人に対し、マナ「何か怖いんですけど」と肩をすくめた。

4人が浜で泳ぎながら沖を眺めると、軍艦や貨物船が行き交っている。
MG「あの船たち、なんか邪魔ねえ」
ナディア「リゾートの雰囲気が出ないわ」
VV「大砲で追っ払ってみる?」
マナ「やめてください!」

島民の家に戻ると、子供が高熱で倒れていた。
マナ「すごい熱です。この島にはお医者さんはいないんですか? すぐに病院へ……」
VV「本土への連絡手段がないからね」
MG「ねえ、VV、あれやっちゃう?」
VV「ああ、あれね」
ナディア「ああ、あれなら」

3人は大砲のある丘へ向かう。
マナ「なにをするんですか〜?」
VV「いいからいいから」
ナディア「ついてくれば分かるわ」
MG「そうそう」

丘に着くと、3人は大砲の整備を始めた。
火薬を天日干しし、部品を磨く。
VV「思ったより状態がいい」
ナディア「すぐに撃てそうだね」
MG「数は足りるのかな」
マナ「ど、どこに撃つんですかぁ……」

にんまりと笑う3人。
ナディア「あそこにある軍艦とか」
VV「あっちの貨物船とか」
MG「私はあっちのちっさい貨物船に向けて撃つ」

そして三人が大砲を打ち始める――
どどーーーーん。ずがーーーーん。ばーーーーん。

大砲の音に気づいた船が次々と島へ向かってくる。
マナ「ひいっ!攻めて来るじゃないですか!」
VV「あの船も馬鹿だね。あんな大きな船が浅瀬に入れるわけないのに」
VV「この大砲の音を聞いて喜んでるんじゃない?」
軍艦「ナディア様〜!」
貨物船「VVお嬢様〜!」
小型船「MG様〜!」

VV「あれは白執事かな。ずっと探してたんだね」
ナディア「私の軍艦もやっと気づいたみたい」
MG「私の可愛い貨物船もこっちに向かってくるわ」

召使たちがボートで岸へ。
「お嬢様〜!」「ナディア様〜!」「MG様〜!」
島民の子供を船に乗せ、4人は帰路につく。
VV「子どもを紅江マリア病院へ。無線で連絡して」
MG「いつも無計画なくせに判断は早いね」
4人が島民たちに手を振り、船は島を離れていった。

マナ「MGさんって、すごいお金持ちだったんですか?警察に捕まったとき、警察官が『悪い家の子だから付き合うな』って言ってたんですけど……」
ナディア「悪い家の子?VVさんの家はマフィアです。それも世界でも指折りの。貿易業も兼ねているけど、本業はマフィアね」

マナ「それじゃあ、ナディアさんのお家も貿易業なんですか?」
ナディア「うちは代々海賊――じゃない、海運業なの。だから軍艦を持っていて、VVさんのブラックウェル家とも付き合いがあったのよ。学校に入学した後で分かったんだけどね」

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